2021年3月1日衆院予算委員会にて、森山浩行議員(立憲民主党)が小此木(おこのぎ)八郎議員(国家公安委員長・内閣府特命担当大臣 自民党)に対し、「日本国内には(海外サイトの)オンラインカジノユーザーが100万人いると報じられた。日本国内ではオンラインカジノは賭博罪が適用され違法である。規制の状況はどうなっているのか?」と問いかけました。
ちなみに、オンラインカジノユーザーが現在日本にどれくらいいるのか、正確な数は不明ですが、「国際カジノ研究所」が国内男女1,000人に行ったアンケートから出した数値は、オンラインカジノの現役ユーザーは”200万人以上”にものぼると予想されています。
森山議員が行った質問に対し、小此木議員は、「今あるIR整備法の中に『カジノ行為』というものがあるが、その中にオンラインカジノは含まれておらず、規制の対象にはなっていない。一方で、先週の内閣委員会でもオンラインカジノについて問われたが、(その際には)警察、国家公安委員長としては厳正に取り締まりを続けていく」と答えました。
警察庁を管理する内閣府の外局、国家公安委員長のトップが、オンラインカジノについて非常に辛辣な回答を行ったのです。
では、今後オンラインカジノは日本で遊べなくなってしまうのか?
そこでこの記事では、オンラインカジノの今後の展望や、合法性、安全に遊ぶポイントなどの情報を徹底解説していきます。
2021年3月1日に行われた国会答弁からオンラインカジノの今後を読み解く
2021年3月1日、衆院予算委員会にて森山浩行議員と小此木八郎議員との間で行われたオンラインカジノに関する国会答弁は以下の通りです。
まず、森山議員はIR(カジノを含む統合型リゾート施設)についての質問に関係して、新型コロナウイルスの影響を受けて世界的にランドベースカジノの売上が落ちている中、オンラインカジノが台頭してきていることを指摘しました。
そして、「日本国内には(海外サイトの)オンラインカジノユーザーが100万人いると報じられた。日本国内ではオンラインカジノは賭博罪が適用され違法である。規制の状況はどうなっているのか」と小此木議員に質問したのです。
その質問に対し小此木議員は、「今あるIR整備法の中に『カジノ行為』というものがあるが、その中にオンラインカジノは含まれておらず、規制の対象にはなっていない。一方で、先週の内閣委員会でもオンラインカジノについて問われたが、(その際には)警察、国家公安委員長としては厳正に取り締まりを続けていくと答弁した」と回答しました。
その回答を受け、森山議員が今度は、「賭博罪でありながら規制の掛け方は事実上野放しなどと書かれたりしている。他国にある合法的なオンラインカジノにアクセスするのは合法であるが、(運営が)海外にあるのか(日本国内にあるのか)はやってみないとわからない。取り締まりの判例等も十分に出ておらず、取り締まる法制が必要ではないか」と述べました。
それに対し小此木議員は、「IR整備法の中にある『カジノ行為』の中で規制の対象となっていないということは、オンラインカジノは(そもそも)認められていないということ。オンラインカジノが日本で行われた場合、これまでも取り締まっており、起訴されたケースもある。これからも取り締まりは続けていく」と強調した上で、「取り締まりを続けるというのは警察・国家公安委員長の立場でもあり、『カジノ行為』の中に規制の対象になっていないというのは、カジノ管理委を担当する大臣としての立場だ」と述べたのでした。
IR整備法の「カジノ行為」と「オンラインカジノ」は全く別の扱い
IR整備法(特定複合観光施設区域整備法)とは、いわゆるカジノを含む統合型リゾートを日本で作ることを可能とする法律であり、また賭博が原則禁止されている日本においても「カジノ行為」を法的に成立させるための法律でもあります。
ですので、中にはこのカジノ行為に「オンラインカジノも含まれるのでは?」と考える方がいらっしゃるかもしれませんが、これは残念ながら、国会答弁で小此木議員が「今あるIR整備法の中に『カジノ行為』というものがあるが、その中にオンラインカジノは含まれておらず、規制の対象にはなっていない。」とはっきりと明言しています。
しかも、森山議員の「日本国内ではオンラインカジノは賭博罪が適用され違法である。」と質問いう質問に対し、小此木議員が「警察、国家公安委員長としては厳正に取り締まりを続けていく」と回答していることから、警察としてははっきりと「オンラインカジノは日本において違法行為である」と明確にしていることが伺えます。
他国にある合法的なオンラインカジノにアクセスするのは合法である
森山議員は、「日本国内ではオンラインカジノは賭博罪が適用され違法である。」と言いましたが、一方で「他国にある合法的なオンラインカジノにアクセスするのは合法である」とも言っています。
これは、そもそもオンラインカジノ自体は海外のギャンブルライセンスを取得し、法を遵守した上で運営を行っているためです。
通常で考えれば、そのような正規のサイトで遊ぶことは何も問題ないのですが、日本は特殊であり、賭博法の存在があるため違法性について議論されています。
また、「他国にある合法的なオンラインカジノにアクセスするのは合法である」という点も非常に重要なポイントであり、警察も「運営が日本に存在している」と判断できなければ、仮にオンラインカジノで遊んでいるユーザーを探し当てたとしても簡単には逮捕に踏みきれないことがわかります。
オンラインカジノユーザーが起訴された事実はある?
小此木議員の回答に、「オンラインカジノが日本で行われた場合、これまでも取り締まっており、起訴されたケースもある。」という部分があります。
確かに、日本には「スマートライブ事件」という事例があります。
これは、自宅のパソコンからオンラインカジノで遊んでいたユーザーが逮捕されるという国内で初めてとなる事件です。
本件は、スマートライブカジノにて、2016年2月16日から26日にかけて、自宅のパソコンからライブブラックジャックで約22万円を賭けて遊んでいたということで、3人の男性が逮捕されました。
またスマートライブ事件は、ライブカジノのディーラーが日本人だったことや、日本人専用テーブルがあり日本語でコミュニケーションがとれたこと、日本時間の夕方から深夜にかけてサービス提供されていたことなどが、警察に「日本で賭場が開かれている」と判断され、逮捕される運びとなりました。
ここまでの経緯を鑑みると、確かにこれまでにオンラインカジノで起訴された事実があるのは間違いありません。
一方で、本件の最終的な結果を見てみると、やはりオンラインカジノの違法性を証明することは大変困難であることがわかります。
まず、逮捕された3人のうち、2人は略式起訴を受け入れ、10万円から20万円の罰金を払って釈放されました。
しかし、残りの1人は今回の逮捕が不当なものであると判断し、弁護士をつけて裁判に臨み、その結果検察側はこの1人に対しては不起訴としたのです。
やはり、現状の日本の法律では、オンラインカジノの罪をはっきりすることは検察の力を持っても難しいということなのです。
オンラインカジノはグレーゾーン!しかし法改正の可能性もあり
日本において、日本で運営されているオンラインカジノで賭け事を行うことは完全に違法となります。
たとえば、インカジ(インターネットカジノ)は100%違法です。
一方で、日本から海外で運営されているオンラインカジノで遊ぶという点につきましては、法整備がまだまだ甘いことも影響し、必ずしも違法とはならない「グレーゾーン」という認識が正解かと思われます。
現状、スマートライブ事件のように、明らかに日本人向けにサービスを行っていると判断されるようなケースでなければ、逮捕されるリスクは低いでしょう。
ですが、今後オンラインカジノの取り締まりが厳しくなる可能性は十分に考えられます。
コロナ禍の影響で内籠りせざるを得なくなった方は多く、それと比例するようにオンラインカジノユーザーも大きく急増しました。
たとえば、海外カジノサイト「ベラジョンカジノ」の月間アクセス数は、2018年12月には約65万件だったものが、2020年11月には4,983万件まで増えているのです。
ここまでオンラインカジノユーザーが増えてしまうと、警察も黙って目をつむっているわけにはいかなくなります。
オンラインカジノの取り締まり方は今度どのように変わっていくのか、その動向に注目していきたいところです。
オンラインカジノをできるだけ安全に楽しむポイント
できるだけ安全にオンラインカジノで遊ぶために、以下のようなポイントに注意してみてください。
インカジでは絶対遊ばない
「オンラインカジノ」と「インカジ(インターネットカジノ)は、似ているようで実態は全く異なるものです。
オンラインカジノは、海外で合法的に運営されているサイトです。
一方でインカジは、日本で店舗を構え、お金を賭けてカジノゲームを遊戯する場を提供します。
また、インカジはその日のうちに店舗でお金の清算を行うのが特徴ですが、これは日本において賭博法に違反するため、遊んでいるのが発覚すれば運営者も利用者も逮捕されてしまいます。
オンラインカジノはグレーなのに対し、インカジは100%違法となっているため、インカジのでは絶対に遊ばないようにしてください。
「日本で運営している」と警察に判断されるようなカジノは避ける
警察がオンラインカジノで遊んでいるユーザーを中々逮捕できなのは、オンラインカジノが海外で運営されているためです。
逆にいえば、警察が「日本で運営されている」と判断される材料があれば、逮捕されてしまうリスクが高まります。
たとえば、「日本人向けのテーブルを提供している」「明らかに日本人をターゲットにした内容のサービスを行っている」などといったカジノは避けた方が無難です。
カジノ法案の全容とは?日本からでもすぐにカジノで遊べる方法を徹底解説!
ライセンスを確認する
通常、オンラインカジノはギャンブルライセンスを取得し、合法的にサイトを運営しています。
しかし、中には稀にライセンスを保有していないカジノも存在しています。
そのようなサイトは、そもそも海外においても違法です。
また、ライセンスにもランクがあり、取得が困難なものほどそのカジノの安全性は高まります。
「マルタ」や「マン島」「ジブラルタル」などのライセンスは、信頼性が高いのでおすすめです。
情報の乏しいカジノで遊ばない
オンラインカジノで安心して遊ぶ上で、カジノの所在住所は重要となります。
過去には、所在地が日本に存在したオンラインカジノも存在しました。
そのようなサイトを利用すると、逮捕されてしまうリスクは高まります。
その点を鑑みると、素性のわからないカジノよりも、これまでに実績がしっかりと伴っているサイトのほうが安心して利用することが可能です。
たとえば『ベラジョンカジノ』などは、実績も人気も伴っているためおすすめとなります。
まとめ
現状「グレーゾーン」となっているオンラインカジノの違法性については、今後も議論されていくことでしょう。
ただし、海外では合法なオンラインカジノで遊んでいる人を、「違法」と証明するのはそう簡単なことではありません。
また、新たな法律ができるとしても、それはいくつもの段階を踏まなければいけないため、現在オンラインカジノを利用していたとしても、リスクを回避することは十分可能です。
ですが、原則ギャンブルが禁止となっている日本で、このままオンラインカジノが野放しにされていくとも考えにくいため、オンラインカジノ好きの方は今のうちに思う存分に楽しんでおくことをおすすめします!
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